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リトルフィンガーたちにも、「憧れ」という概念はある。 それは「恋」ではないのかもしれない。 なぜなら、叶うから恋と言うのだ。 叶わぬのなら、それは憧れなのだ。 憧れることは、自由だ。 むしろ彼女らの生きがいはもう、憧れしかない。
悲しみに理由も大きさも関係ない ただ悲しいときは寝るしかない
夢を見た 人間の大きさに戻った御園と喋る夢・・・。
不思議な話だが 彼女たちの寿命は人間と変わらない 小さい生き物は短命と決まっているのだが そのぶん税金の負担も大きい
威圧感を与えないように なるべく離れて喋るし 声も小さくして喋る
なんと寒い日だろうか 彼女たちにはさらにひどい寒さに違いない
今日は御園とコンビニに行った コンビニの店員はリトルフィンガーにも優しい 庶民の味方だ
麻尋はいつも寝ている だが、誰も責めることはできない 彼女はああすることで自分と戦っているのだ 過去の記憶と戦っているのだ
御園はいつも腰痛に悩んでいる ありとあらゆるものが重すぎるようだ リトルフィンガー用の雑貨はまだまだ少ない もっと用意できればいいが・・・ と言うか俺にもっと頼ってくれていいんだが・・・ あまり何でもやるとそれも規約違反になってしまう 難しいものだ
お茶をこぼして御園にかかってしまった 幸い少しかかっただけだったが、本当に気を付ける
リトルフィンガーは、女性しか発症しない。 理由はまだ解明されていない。 ウイルス性のものであるという可能性もある。 女性ヘルパーはなかなか定着しないが、うちは珍しく女性も多めだ。 人形みたいでかわいいと言う人もいるが、そのような態度は絶対禁止だ。 服も必要最低限の質素なものを買うこと。 但し、個人的に渡すのは違反ではない・・・。
俺と御園は日中、「リトルフィンガーズハウス」へ行く 運動などの健康管理ができる場所だ そして彼女たちは健康を保つ リトルフィンガーとはいえ健康に長生きする権利はあるのだ たとえそれを税金の無駄遣いと言おうとも・・・ 早く死ねという世間の願いは 彼女に届けてはならない 俺たちが守らねばならない この脆弱な生き物を
風邪を引いたらしい 料理がなくて今頃ひもじい思いをしているに違いない 俺は彼女たちの命をあずかっているのだ しっかりしなくては・・・・ 待てよ、そもそもリトルフィンガー リトルフィンガーに風邪を移すと非常に重篤な症状が起きる 見せる場所は内科だ なぜなら別の科を作ることは差別に当たるとどこかのアホがのたまったからである が、だからこそ嫌われることが多い 結果的にリトルフィンガーの居場所はないのである では内科と皮膚科、科を分けることは差別ではないのか これは区別でしかない
リトルフィンガーには、生殖器がない。 泌尿器はあるが、生殖器は消失するようだ。 よって、自慰ができなくなる。 またひとつ、娯楽が減るのだ。
平状真琴が、いじめられたと悩んでいる。 「平状真琴」は、会社で電話応対の仕事をしている。 障害者だ。いじめられるのは当然だ。 この場合、いじめる方が100%悪い。 世の中にいじめっ子がいるのは当然だ。 だが、言論の自由を奪ってはならない。 だから彼女は、癒される場が必要だ。 平状とそのヘルパー結城は、話が合うようだ。 それはとても運のいいことだ。 平状真琴が、いじめられたと悩んでいる。 「平状真琴」は、会社で電話応対の仕事をしている。 障害者だ。いじめられるのは当然だ。 この場合、いじめる方が100%悪い。 世の中にいじめっ子がいるのは当然だ。 かと言っていじめられないために仕事を辞めるのはおかしい。 やはり国がしっかり指導していかねばならない部分だ。 だが、言論の自由を奪ってはならない。 だから彼女は、癒される場が必要だ。 しかし仕事をしなければ癒される必要もない・・・。 やはり仕事をする必要はない気がする・・・。 そもそも、障害をいじめずに配慮までしろなど、国民には難しい注文だ。 税金だけ引き上げればそれでいいじゃないか。
合コンのようなものに行った。正確には、ダブルデートのようなものだろう。 ヘルパーでない人に、「リトルフィンガーって、かわいいよね」と言われた。 「かわいい」には2つの意味があるが、リトルフィンガーだからといってすべての人が端正な顔立ちな訳ではないので、意味は後者のほうだろう。 確かに彼女たちは小さく、何をするにも懸命で、「かわいい」という感情は否定できない。 しかしそれは彼女たちにとっては侮辱に当たる。 コイツがそれを鑑みずに彼女たちに「かわいい」と言ったら、彼女らは傷つくことになるだろう。 かと言って俺は教師ではないから、そいつに助言する資格はない。それもまたいじめとなるからだ。 彼とリトルフィンガーが、出会わないことを祈ることしかできない。 そして世にはそのようにして評価されているリトルフィンガーが沢山いることだろう。特に我々のようなプロではなく、家族に扶養してもらっていたりすると、「公正」な評価をしてもらえなくなる。そのために相談員は居るのだが、相談しなければ始まらないことだ。 そして彼女らは知らず知らずのうちにどんどん病んでいく。どんどん狂っていく。 手遅れになるほどに・・・・。
「平状真琴」は、ブロガーだ。 同じリトルフィンガーに向けて、ブログを書いている。 「平状真琴」は、会社で電話応対の仕事をしている。
今日は休日なので順子と映画を観てランチをした 俺が丸山さんと仲良く話していたのを見て嫉妬したようだ 「丸山さんと私、どっちが可愛い?」と聞く 正直見た目に関してはどっちもさほど好きではない しかし嫉妬というものは良いことなのか、悪いことなのか考えてしまった 周りにとっては本人が努力すれば、それだけ美しくなるのだから、ありがたい事だ しかし本人にとっては・・・きっと嫉妬しない人生のほうがずっと幸せだろう 二階堂瑠璃のように。 そしてその性格は周囲に「憧れ」や「好意」とは違う感情をもたらす それは「癒し」だ 癒しは確かに恋ではない だが人にはなくてはならないもののように思えるのはなぜなのだろう 人は恋をする以外にも 生きる理由があるという事なのだろうか レベルは低くても高くても 人を幸せにすることができるという事なのだろうか ならばリトルフィンガー達にも 何か仕事があるのかもしれないと思った それでも、いじめられることと癒すことは同じだ それに耐えるということを、許していいものなのかは考えてしまう そして我々がそれに癒されていいものかも考えてしまう 癒しは悪魔の囁きなのだろうか 忌むべき存在なのだろうか? それともいじめに関しては 排除しなければならないのだろうか?
今日、御園はかつての友人に会いに行った そして散々馬鹿にされて帰ってきたようだ 「私たちは普通だよ」などと言われたようだ 「本当の友達じゃなかった」と言った 本当の友達とはいったい何だろうか 辛い時に支えてくれる人だろうか 否、それは友達ではなく、ただの「優しい人」だ 「友達」とは、配慮する必要のない同レベルの人間のことを言う だから、永遠に友達という事など、ほぼ有り得ないものだ。 御園はそれを知らなかったのだろう だが、どんなに辛くても、俺がいる限り死ぬことはない。 はやく元気になってほしい。 慰めるのは俺の役目じゃない。 規則に「励ましや慰めは労働外なので禁止」と書かれている。 公私混同はよくないことだ。 但し、図書館の本を読み聞かせることは許可されている。 今度、何か借りてこよう。
「二階堂瑠璃」は、仕事をしている。 「受付嬢」と言うか、看板娘のようなものだ。 これボツね~(*´з`)
「西野麻尋」という人がいる。 彼女は感染した絶望で鬱になってしまったリトルフィンガーだ。 彼女は甘えていると言えるのだろうか? 彼女は過去に囚われている。 これは事故のようなものだ。 どちらかと言うと悪いのは「病気」そのものではなく、「彼女の記憶」だ。 人は簡単には変われない。 変わる手伝いをするのも、福祉の仕事だと俺は思う。        ・・・・・・・・・・ 例え彼女が、「鬱にさえならなければできる仕事はある」のだとしても。
今日から俺は"リトルフィンガー"の介護を受け持つことになった 対象の名前は「御園恵梨香」 普通のOLだった女性だ 初対面の時ちょっとおどけていたが冗談は禁止だと言うとすぐに謝った リトルフィンガーは身長4cmだが食費は通常の人間と同じだけかかる その体のどこに食物が入るのかは謎のままだ まだまだ謎が多い 俺はこれから彼女の家に住み込みで介護をする 食事の用意などが主な仕事だ